マクロン氏、ロシアによる欧州へのハイブリッド攻撃が激化と警告

ダークスーツにネクタイ姿のマクロン大統領が、演台を前に左手で指し示している。背後にはフランス国旗と欧州連合の旗が掲げられている

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画像説明, フランスのマクロン大統領(18日、パリ・仏大統領府)
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フランスのエマニュエル・マクロン大統領は18日、ロシアによる欧州およびフランスに対するハイブリッド攻撃の脅威が高まっていると警告した。

マクロン大統領はフランス大統領府(エリゼ宮)で記者会見し、この脅威を前にして、重要なインフラ施設と防衛産業施設を保護するための計画を指示したと述べた。

大統領は、フランスはこの数週間、ロシアによるハイブリッド攻撃の標的となっており、「対応しない」わけにはいかないと述べた。

欧州の指導者の間では、各国のウクライナ支援の意思を試すため、ロシアが攻撃を準備している可能性があると、警告が相次いでいる。

ハイブリッド戦争またはハイブリッド攻撃とは、敵対国に圧力をかけて不安定化させることを目的にした、非軍事的な手段、例えばサイバー攻撃、破壊工作、偽情報などを漠然と意味する表現。

このハイブリッド攻撃は代理勢力を通じて行われることが多く、ロシアはこうした攻撃への関与を常に否定している。しかし、ロシアの関与を示す証拠は増え続けている。

フランス大統領は、中東とウクライナにおける戦争が安全保障に及ぼす影響について各党首と協議した後、記者団の取材に応じた。

マクロン大統領は、ドイツのライプツィヒ空港で8月初めに発生した、ロシアによるとされるドローン攻撃に言及した。さらに、ロシアがポーランドや北大西洋条約機構(NATO)東部の境界に位置する他の国々に対してドローンやミサイルによる攻撃を計画しているという、ポーランドのドナルド・トゥスク首相の発言にも触れた。

「ここ数週間、ロシアによる欧州諸国、特にフランスに対するハイブリッド脅威は激化している」とマクロン氏は述べた。

「我々を威嚇し、我々のウクライナ支援をやめさせることが、ロシアの狙いだ。しかし、結果は正反対のものになる。我々は威嚇に屈しない。なぜなら、自分たちの今日と未来の安全保障は、ウクライナ次第だと我々は承知しているので」

トゥスク首相は17日、ポーランド議会を前に、ロシアの計画にはウクライナを支援する国々へのドローン攻撃やミサイル攻撃が含まれると述べた。首相は、NATO加盟国の領土に対するこうした攻撃には「現実的なリスク」があると強調。ロシアはNATO分裂を図るため、攻撃した後には「事故」だったと主張するはずだと述べた。

13日にはウクライナとポーランドの国境付近で、ロシアのドローンが旅客列車を攻撃した。その直前には、ボリス・ジョンソン元英首相や欧州各国の安全保障当局高官らが乗った列車が同じ場所を通過していた。

ウクライナ当局は、ヤホディンで列車の機関車が攻撃されるわずか数分前に、乗客全員が避難していたと発表した。

動画説明, ロシアの列車攻撃は新しい展開なのか、外交列車を狙った可能性

加えてこのところ、イタリアからエストニアに至るまで、防衛施設で不審火が相次いで発生している。ロシアの仕業だと非難する国もある。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアにはヨーロッパを攻撃する計画はないと繰り返し主張している。一方、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は16日、欧州各国がウクライナに派兵すれば、ロシアはそれを宣戦布告とみなすと警告した。

「もしヨーロッパがロシアを攻撃すれば、それは全く別の戦争になり、あっという間に終わるはずだ」と外相は述べた。

一方、ロシアは18日、イギリスに対し、ウクライナにあるイギリス軍施設がロシア領土への攻撃に使用された場合、その施設を「正当な標的」とみなすと改めて警告した。

ロシアは、イギリスがウクライナに対してドローンやその他の兵器システムを供与していることを指して、「ウクライナに対する極めて対立的な姿勢」に対応して「必要な対抗措置」を取る権利を留保した。

ロシアは2022年2月にウクライナへの本格的な侵攻を開始した。

マクロン大統領は18日の会見で、エネルギー情勢についても言及した。フランス政府は重要インフラや「最も機密性の高い」防衛産業および技術関連施設を、ドローン攻撃やサイバー攻撃から守る責任があると述べた。

大統領は、フランスがエネルギー問題について協議し、欧州委員会にガス備蓄の問題を提起するために、G7首脳会議を招集すると発表した。

「今後数週間以内に、エネルギー問題に特化したG7会合を開催し、協力関係を強化するとともに、G7諸国と主要パートナー国との間の不必要な緊張関係を回避する予定だ」とマクロン大統領は述べた。

「この会議は、戦略備蓄の放出または解除の可能性について、検討する機会にもなるだろう」

大統領は国内情勢については、来年の大統領選の候補者に対し、政府を非難することで国民の不安に乗じるのではなく、現在の燃料価格高騰は、フランス政府がコントロールできない国際情勢の結果だと認めるよう求めた。

強硬右派の野党「国民連合」から出馬するマリーヌ・ル・ペン氏は現在、マクロン大統領の後任を選ぶ来年4月~5月の大統領選挙に向けて、世論調査で最多の支持率を得ている。