サウジアラビア、トルコ、パキスタンが防衛協定に署名

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アンリ・アスティエ、ジョー・インウッド
サウジアラビア、トルコ、パキスタンは7日、3カ国間の共同防衛協定に署名し、3カ国のうち1カ国への攻撃は3カ国すべてへの攻撃とみなすと表明した。イランはこれに強く反発している。
サウジアラビアのメッカで、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相が会談し、協定を発表した。
3カ国は共同声明で、この協定は「あらゆる侵略行為に対する集団的抑止力を強化することを目的とする。3カ国のいずれかに対する武力攻撃は、3か国すべてに対する攻撃とみなされる」と表明。「さらにこの協定は、3カ国間の防衛協力のあらゆる側面を強化することを規定している」と述べた。
サウジアラビアとパキスタンは、昨年すでに共同防衛協定を発表していた。今回の協定は、イスラム圏で最も強力な3カ国が相互防衛を保証し協力するもの。ただし、各当事者の義務について具体的な規定はない。ロイター通信が伝えたトルコ当局者の発言によると、この協定は「純粋に防衛的な性質のもの」だという。
メッカでの合意にイランは強く反発しており、イランの国会議員は、この合意はサウジアラビアの利益にはならないと述べた。
「サウジアラビアは、トルコやパキスタンとの紙上の合意が安全保障をもたらすものではないことを知るべきだ。長年にわたるアメリカによる一方的な搾取が、安全保障をもたらさなかったのと同様だ」と、国家安全保障委員会の委員でもあるイブラヒム・レザエイ議員はソーシャルメディア「X」に投稿した。
アメリカとイスラエルが2月28日にイランを攻撃した後、イランとその同盟勢力はサウジアラビアやその他の湾岸諸国を攻撃し、主要な石油輸送路のホルムズ海峡と紅海の航行を妨害した。

3カ国にとってのメリット
パキスタン、サウジアラビア、トルコにはそれぞれ異なる特長があり、それぞれ異なる成果を求めている。
米・イスラエルの対イラン戦争で混乱した中東地域において、サウジアラビアはこの協定で安全保障体制を強化しようとしている。
イランの支援を受けるイエメン北西部の大部分を支配する反政府勢力フーシ派は7月20日、サウジアラビアに対する海上封鎖を発表し、紅海にあるサウジアラビアの空港、石油施設、タンカーを標的とした。
サウジアラビアはさらに、パレスチナ・ガザ地区の武装組織ハマスの幹部をイスラエルが昨年9月にカタールの首都ドーハで空爆したことも、強く意識していると思われる。米戦略国際問題研究所(CSIS)が昨年10月に発表した報告書によると、このドーハ空爆を受けて「湾岸諸国は防衛戦略を見直した」。サウジアラビアによる対応の一つが、今回の協定だ。
パキスタンはこれとは異なり、今回の協定が自国の国際的な立場を補完してくれるものと期待している。
パキスタンとインドの長年の緊張関係は昨年5月、ついにれっきとした武力衝突へと発展した。全面戦争は回避されたものの、サウジアラビアの経済力とトルコの軍事力・工業力を味方につけることは、パキスタンにとって今後ますます価値あるものと見なされると思われる。
加えてパキスタンはこのところ、国際的な外交の舞台でこれまで以上に重要な役割を担うようになった。イランとアメリカの間の仲介役を務め、停戦交渉を主催するなど、地域における地位を著しく高めてきた。今回の協定は、その地位をさらに強固にするものだ。
トルコにとってのメリットも異なる。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のブルク・オズチェリク氏によると、今回の協定は「共同生産、技術提携、調達、そして軍事的な相互運用性の向上」を通じて、トルコの重要な防衛産業に機会をもたらすと見込まれる。
相互防衛協定の概念は一見すると単純に思えるが、実際にどのような状況で相互防衛が発動されるのかは、複雑かつ不確実だ。
例えば、サウジアラビアがフーシ派との全面戦争を再開した場合、トルコはイエメンへの攻撃に参加する義務を負うのだろうか。あるいは、パキスタンとインドの紛争が再燃した場合、サウジアラビアはインドに宣戦布告する必要があるのだろうか。
どの場合でも、事態の悪化を避けるため、複雑な計算と慎重な外交手腕が求められるだろう。つまり、先行きは不透明だ。
一方、相互防衛協定の締結によって当事国が何より期待する成果は、抑止力だ。
今回の協定を通じて各国は、地域の2大国を後ろ盾にもつことになった。これのみで自国への攻撃を完全に回避できるわけではないものの、この3カ国を攻撃することの潜在的なコストは著しく高くなる。















