米ミシガン州の民主党予備選、左派の政界の異端が勝利 党内の対立あらわに

襟元の開いた白いシャツに青いスーツジャケットを羽織ったエル=サイード氏がマイクの前に立っている

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画像説明, 勝利が確実になったアブドゥル・エル=サイード氏
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アメリカの11月の中間選挙に向け、中西部ミシガン州で4日、連邦上院選の民主党予備選があり、左派で政界の異端とされるアブドゥル・エル=サイード氏(41)の勝利が5日までに確実となった。同党の今後の方向性をめぐり、党内で激しい対立があることが浮き彫りになった。

BBCがアメリカで提携する米CBSニュースによると、元公衆衛生当局者のエル=サイード氏が、穏健派のヘイリー・スティーヴンス連邦下院議員(43)を僅差で破る見通し。

エル=サイード氏は、「(有名ボクサーの)モハメド・アリの言葉を借りれば、『私たちは世界を震撼させた』」と述べた。

同氏は11月の中間選挙で、ドナルド・トランプ大統領と盟友関係にある共和党候補のマイク・ロジャース氏と対決する。エル=サイード氏が当選すれば、初のイスラム教徒の連邦上院議員となる。

この日の予備選の結果は、エル=サイード陣営の予想よりはるかに接戦となった。5日午前の時点で、150万票余りが開票され、スティーヴンス氏との差は1%に満たない1万5000票以下だった。

エル=サイード氏は5日、「政治から金権を排除し、皆さんの懐を温め、医療保険の皆保険法案を通す運動は、大きな潮流だ」と、選挙運動中に繰り返してきたフレーズを再び口にした。

一方、敗れたスティーヴンス氏は、「アブドゥル・エル=サイード氏が連邦上院議員の民主党指名を獲得したことを祝福したい」との声明を発表。「彼は医師であり、地域保健当局者であり、ローズ奨学生であり、ミシガン州に献身的な人物だ。本選挙でマイク・ロジャースと対決する彼を、私は誇りをもって支持する」とした。

二人の写真が横並びになっている

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画像説明, 連邦上院選の民主党予備選で争ったエル=サイード氏(左)とスティーヴンス氏

「共和党にとって素晴らしいニュース」

11月の中間選挙は、トランプ氏の任期残り2年間における連邦議会の勢力図を決定づける。

トランプ氏は今回のミシガン州の予備選の結果について、「共和党にとって素晴らしいニュースだ」と自らのソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに投稿。民主党については、「狂った政策がさらに悪化するだけだ!」と書いた。

エル=サイード氏は、国民皆保険や移民税関捜査局(ICE)の廃止といった進歩的な政策への支持を表明してきた。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州)やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク市)といった、民主党左派の政治家らから支持されてきた。

一方のスティーヴンス氏は、より穏健な姿勢を示し、11月の選挙でどちらの政党を支持すべきか迷っている有権者にアピールできる「中道派」の候補として自らを売り込んだ。当選すれば、ミシガン州の製造業の雇用を守ると約束した。

スティーヴンス氏は、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事や、任期満了を迎えるギャリー・ピーターズ連邦上院議員の支持を得ていた。

両候補で大きく異なったことの一つが、イスラエルに対する姿勢だった。

エル=サイード氏は、イスラエルへの援助を含む、アメリカの中東への関与に反対した。一方、スティーヴンス氏は、強固な親イスラエル派で、同国に対する支援の維持を無条件で支持するとしていた。

中間選挙で争われるミシガン州選出の連邦上院の議席は、現在は引退予定の民主党議員が占めている。同州での連邦上院選で共和党候補が当選したのは1994年が最後。

4日夜には、他のいくつかの州でも予備選が実施された。

カンザス州では、知事選の予備選で、民主党のシンディ・ホルシャー州上院議員と、トランプ氏が支持する共和党のタイ・マスターソン州上院議員が、それぞれ勝利。本選挙で対決することになった。

ミズーリ州では、アメリカとイスラエルの関係に関して立場の違いが鮮明になった連邦下院選の民主党予備選で、イスラエルを支持する現職のウェスリー・ベル下院議員が、パレスチナを支援する元職のコーリー・ブッシュ氏を破った。