トランプ米政権、「解放の日」関税1000億ドルを企業に還付

スーツ姿のトランプ米大統領がホワイトハウスの大統領執務室の執務机に座って話している。背後にはスーツ姿の男女が立っている

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フランシスコ・ヴェラスケス・ビジネス記者

アメリカのドナルド・トランプ政権は、昨年に導入した「解放の日」関税で徴収した関税のうち1000億ドル(約15兆7000億円)を、これまでに税関当局を通じて企業に還付した。当局が4日に提出した裁判関連の文書で明らかになった。この関税については、連邦最高裁判所が今年2月、大部分を無効とする判断を示していた

税関・国境警備局が裁判所に提出した文書によると、これまでに還付したのは、政権の関税政策に基づき政府が徴収した関税収入全体の約60%に相当する。

しかし、まだかなりの額が未還付となっている。うち、約290億ドルについては通商当局による審査が行われている。別の16億ドルについては、輸入業者が銀行口座情報を提供していないため、還付が滞っているという。

トランプ政権は昨年、世界中のほぼすべての国からの輸入品に対して新たな関税を課した。ホワイトハウスは、1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)を関税の正当化の根拠にした。IEEPAは、「異常かつ並外れた脅威」に対処する権限や、緊急事態に際して貿易を「規制」する権限を大統領に与えている。

トランプ氏はかねて、関税措置はアメリカ国内の投資と製造業を促進するものだと主張してきた。

しかしこの関税は、国内外の企業から強い反発を招いた。また、商品の価格が上がるのではないかという懸念も広がった。

関税とは、外国製品が国内に輸入される際に課される税金だが、輸出元の政府や輸出業者ではなく、国内の企業や輸入業者が商品が税関に到着した際に支払う。関税の引き上げは事業の初期費用を増加させる。企業は通常、こうした追加費用を小売価格の上昇という形で消費者に転嫁する。

2月の連邦最高裁の判決以来、複数の大手企業が既に多額の税金の還付を求めている。

米通販大手アマゾンの財務責任者、ブライアン・オルサフスキー氏によると、同社は第2四半期に約6億ドルの払い戻しを受けた。

オルサフスキー氏は第2四半期決算発表の電話会議で、アマゾンは特定の手数料が課された顧客に対して一部を返金し、残りの資金は価格の引き下げに充てると述べた。

アメリカの関税法では、関税を直接支払った輸入業者のみが払い戻しを請求できるため、消費者への救済措置は完全に個々の企業に委ねられている。

税関当局が、保留中の請求の審査を続け、輸入業者が銀行口座情報を更新するにつれて、払い戻しの総額はさらに増加すると予想される。

2月の裁判所の判決後、トランプ氏は暫定的な解決策として世界的に10%の追加関税を導入した。

この関税は7月末に期限切れとなったが、米政府は約60の貿易相手国・地域に対し、強制労働を適切に阻止していないとして、新たな関税を発動した。

さらにトランプ氏はこの数日前、カナダからの輸入品に対し、50%の追加関税をかけると発表した。