独ベルリン・プライド襲撃で1人死亡、多数負傷 警察は容疑者を射殺

木立の中、白いバンが木に正面衝突して大破している。その隣に黒い車両が停まり、複数の警官が立っている

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画像説明, ティアガルテン公園の木に激突した白いバン(26日、ベルリン)
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性的マイノリティ―(LGBTQ+)の誇りを掲げる「プライド・パレード」が行われていたドイツの首都ベルリン中心部で25日夜(日本時間26日午前)、車が次々と人をはねた。1人が殺害され、29人が負傷した。ドイツ警察は26日、ベルリン西部シュパンダウ地区を捜査中、ナイフを持って突進してきた容疑者の男性を射殺した。ドイツ政府は事件を「イスラム主義のテロ攻撃」と呼んでいる。当局によると、警官たちが射殺した容疑者は、レバノンにルーツのある21歳のドイツ市民で、多くの犯罪歴などを通じて当局が把握していた人物だという。

事件は25日午後10時前、ベルリン中心部ティアガルテン公園の近くで起きた。調べによると、白いバンが集まっていた人たちの中に突入した後、運転していた男が刃物で大勢を攻撃した疑い。

調べによると、ティアガルテン公園の木立の中を通るアホルンシュタイク通りで、大勢がはねられた。

ドイツ・メディアによると、負傷者はいずれも26日までに、命が危険な状態は脱したという。

「POLIZEI(警察)」と背中に書かれた黒いTシャツ姿の警官4人が植生の間に立っている。一人は自動小銃を掲げている

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画像説明, 性的少数者を応援するプライド・パレードが襲撃され、市内を捜査する警官たち(26日、ベルリン西部シュパンダウ)

警察によると、大規模な捜査体制で実行犯の行方を探すなか、ベルリン西部のシュパンダウ地区にある市民農園で26日午後、レバノン系ドイツ人のアブドゥル・バルート容疑者(21)がナイフを持って捜査員たちに襲いかかったため、警察は容疑者を射殺した。

ドイツのアレクサンダー・ドブリント内相はこれに先立ち同日、記者団に対し、既に得ている証拠から犯行は「イスラム過激派によるテロ攻撃」だった可能性が高いと述べた。

「過去に多数の犯罪行為、過激化、イスラム主義組織との関係を通じて、過去に当局の注目を集めていた容疑者を捜査している」と内相は述べていた。

濃い色の巻き毛の髪と、あごひげの若い男性が正面を向いている写真

画像提供, ベルリン警察

画像説明, バルート容疑者(ベルリン警察が26日に発表。写真の日付は不明)

ベルリン検察庁によると、バルート容疑者は2025年5月、シリアでイスラム国(IS)に加わるためトルコ経由でレバノンに渡航した。レバノン滞在中、ISメンバーだと信じていた複数の人物と接触したとされる。

2025年7月にレバノンで逮捕され、宗教的・宗派的対立を扇動した罪で禁錮3カ月の実刑判決を受けた。

2025年11月にドイツに戻ると、ベルリン・ブランデンブルク空港で逮捕された。今年5月には、「国家を危険にさらす重大な暴力行為を企てた」罪で禁錮1年10カ月(執行猶予6カ月)の判決を受け、保護観察下に置かれた。

容疑者はかつて、2022年に暴行と強盗の罪で、また2020年にはヘッドホン強奪の罪で、それぞれ有罪判決を受けていた。

ドブリント内相は、今回の襲撃を受けて国内の警戒レベルを引き上げると述べた。また、連邦政府は各地の連邦州に今回の事件について通達し、大規模イベントにおける警備対策を見直すよう勧告したという。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は26日、ティアガルテン公園の襲撃現場を訪れた後、犠牲者を追悼する教会の外で、「自由で開かれた私たちの暮らしを守る」と誓った。

「私たちの社会に、こうした過激派の居場所などない」と首相は述べ、「テロリズムという毒」が社会に影響を与えることをドイツは決して許さないと強調した。

ティアガルテン公園と、容疑者が射殺されたベルリン西部シュパンダウの位置を示したベルリンの地図。ティアガルテンの空撮写真には、事件現場となったアホルンシュタイクの通りがブランデンブルク門から続く様子が示されている

「屈しない」

ベルリンのプライド・パレードはヨーロッパ有数のプライド・イベントの一つ。「クリストファー・ストリートの日」を数十万人が盛大に祝うのが恒例となっている。

「クリストファー・ストリートの日」は、米ニューヨーク市のクリストファー・ストリートにあるストーンウォール・インで1969年6月、LGBTコミュニティーが警察の不当捜査に対抗した出来事を記念するもの。LGBTコミュニティーが差別と抑圧に公然と蜂起した画期的な日として、性的少数者による権利獲得の闘いの原点とされている。

今回の襲撃事件を受け、ティアガルテン公園で予定されていた清掃活動と、26日の朝に予定されていた朝食マーケットは、いずれも中止となった。

26日午後には、LGBTコミュニティーの人々がブランデンブルク門に戻り、追悼集会を開いた。 登壇した人たちはあらゆる形態の過激主義を非難したが、同時に政府の支援不足を批判し、特に最近のLGBTQ+団体への予算削減を問題視した。

ヴォルフスブルク出身でドラァグアーティストとして活動するアーミン・デュエンヘルター氏は、襲撃事件発生時、イベントのメインステージの舞台裏にいた。

同氏はAFP通信に対し、まだショックを受けていると述べつつも、「このようなことに屈服させられるなど、そんなことは許さない」と言い、来年のプライド・パレードには必ず戻ってくると誓った。

ブランデンブルク門の前、虹色のLGBT旗を掲げる人たちが集まっている。手前では複数の人が抱き合っている。

画像提供, Omer Messinger/Getty Images

画像説明, 事件の翌日、ブランデンブルク門付近に弔問客が集まった(26日、ベルリン)