ウクライナの支援センター、ホスピス、病院へのロシア攻撃 死者数増える

画像提供, ウクライナ国家警察
ラウラ・ゴッツィ
ウクライナ当局は、ロシア軍が3日までの24時間で援助物資配布センター、ホスピス、病院などを攻撃し、これまでに民間人38人の死亡が確認され、数十人が負傷したと明らかにした。物資配布センターでは大勢ががれきの下敷きになり、死者数は増え続けているという。
ロシアが2日夜に南部ザポリッジャ州に対して行った滑空爆弾攻撃では、死者数が増え続けている。援助物資を集めた支援センターが破壊され、これまでに少なくとも33人が死亡したことが確認されている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、50人以上ががれきの下に閉じ込められている可能性があり、犠牲者の数はさらに増えるだろうと述べた。
大統領はコミシュヴァハ村での攻撃について、「この戦争中にロシアが行った最大規模の大量殺戮(さつりく)の一つ」と非難した。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナは先週ヘルソン州で発効した一時停戦の延長・拡大を提案したことも明らかにした。ヘルソンでの一時停戦によって、ロシア占領下の最前線にあるオレシュキからの住民避難が可能になった。
ロシアがコミシュヴァハ村で救援物資の配布センターとして使われていた学校を攻撃したのは、ウクライナの停戦提案に対するロシアの回答だったと、大統領は述べた。
一方、中部ドニプロではホスピスが攻撃され、北東部ハルキウでは病院が攻撃された。ゼレンスキー大統領によると、ハルキウでは73人が負傷し、そのほとんどが高齢の患者だったという。
当局によると、コミシュヴァハでは住民が人道支援物資を受け取るために配給センターに集まっていたところ、3000キログラム級の爆弾9発が着弾した。地元メディアによると、攻撃開始時に大勢が地下に避難したところ、屋根が崩落し、多くの人が下敷きになった。
「この悲劇の規模は、理解の範囲を超えている」と、地域責任者のミハイロ・セミキン氏は述べた。
ロシア国防省は、今回の攻撃はウクライナ軍部隊を標的としたもので、兵士25人を殺害したと発表した。
しかし、ロシアが標的にした位置をウクライナ軍が使用していたという信頼できる証拠はない。BBCニュース・ロシア語のイリヤ・アビシェフ防衛担当編集委員によると、コミシュヴァハ村には主要な軍事施設や産業施設はなかったという。
コミシュヴァハ村は、ロシア軍の攻撃が絶え間なく続くザポリッジャ市の南東にある。 アビシェフ編集委員によると、この村は、州都ザポリッジャに出入りするための要所で、ウクライナの防衛・輸送ネットワークにおいて軍事的に非常な位置にある。
しかし、国連の人権監視団は、村の学校が人道支援物資の配布に使われていることは広く知られているだけに、今回の攻撃は「国際人道法の最も基本的な原則に違反しているようだ」と述べた。

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中部ドニプロでは2日夜、ロシアのミサイル攻撃でホスピスが破壊され、約50人の末期患者が他の施設に移送された。患者の中で最高齢は90歳だった。
ボリス・フィラトフ市長は、窓ガラスが吹き飛び、床にがれきや割れたガラスが散乱したホスピスの部屋で、高齢者たちがベッドに横たわっている写真を、通信アプリ「テレグラム」に投稿した。

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「自分のしていることが、倫理違反なのは承知している」とフィラトフ市長は書いたうえで、「できるだけ多くの人にこの写真を見てもらいたい。特に政治家や外交官に。特に海外の人々に」と呼びかけた。
「この人たちは高齢で、末期患者だ。これはロシアのミサイルだ」と、市長は強調した。
ドニプロの別の場所では、別の攻撃で2人が殺害され、18人が負傷した。また、ウクライナ東部のドネツク州では、空爆とドローン攻撃によりさらに5人が死亡した。
ロシアはまた、ウクライナの9州でエネルギーインフラを攻撃し、水道と暖房に影響を及ぼした。
首都キーウの主要水道会社は、「敵の攻撃と首都のエネルギーインフラへの被害のため」、首都の水道供給が完全に停止したと発表した。3日には地下鉄網全体が運行停止となり、ヴィタリー・クリチコ市長は、市内の電力供給が「極めて厳しい状況になっている」と述べた。
この間、ロシア大統領府は3日、11月10日と11日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビでアメリカが仲介するウクライナとの三者和平協議に参加すると発表した。
これは2月以来となる3カ国協議となる。これ以降、ロシアとアメリカは二国間の関係構築を進めており、ドナルド・トランプ米大統領はロシア産ディーゼル燃料の輸入に関する合意を発表している。
ゼレンスキー大統領は3日、ドイツ・ベルリンで記者団に対し、ロシアが停戦と平和的解決に向けた交渉に真剣に取り組むことが重要だと述べたが、今のところそのような兆候は「全く見られない」と批判した。
昨年末に行われた数回の停戦協議は成果を上げず、ロシア当局者は、ウクライナの完全降伏という最大限の要求からの譲歩を拒否してきた。
ロシア軍に包囲されたオレシュキでの一時停戦を仲介したと評価されたメラニア・トランプ米大統領夫人は、5日にもワイトハウスでロシアとウクライナの代表者を招いて会談を行う予定だ。しかし、ホワイトハウスは、誰が会談に出席するのか詳細を明らかにしていない。
国連は先月、ロシア軍がエネルギーインフラへの組織的な攻撃を再開したことを受け、ウクライナにおける民間人の死傷者数が「過去最高レベル」に達したと発表した。
ロシアは2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始した。その後、前線での進撃は停滞し、ウクライナへの攻撃は激化しており、モスクワは多数のミサイルとドローンを用いてウクライナの都市を攻撃している。
同時に、ウクライナは西側諸国からの武器供給の停滞とアメリカ製パトリオット迎撃ミサイルの不足により、深刻な防空能力不足に直面している。
ゼレンスキー大統領はベルリンで、前線は安定しているものの、「それに比べて、特に防空能力と民間人の保護において、空の状況はあまり良好ではない」と認めた。












