ルーマニア沖の黒海でタンカーにドローン攻撃、乗組員7人が行方不明

一部が崩れ黒焦げになるなど、損傷を受けた船が海上に浮かんでいる
画像説明, 黒海でドローンの攻撃を受けたワイン・トレーダー号。ルーマニア当局によると、行方不明の乗組員の捜索救助活動が船やヘリコプターを使って続けられている(15日撮影)
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黒海のルーマニア沖で15日朝、化学製品を運ぶタンカーがドローンの攻撃を受けて炎上し、乗組員12人のうち7人が行方不明となった。海軍当局が明らかにした。

このタンカーは、チュニジアからルーマニアへ航行していた、サンマリノ船籍の「ワイン・トレーダー」号。ルーマニア・スリナのドナウ川河口から東へ13カイリ(約24キロメートル)の海上で午前7時ごろ、船内における複数回の爆発と火災を報告したという。

当時、荷物は積んでいなかったという。

ルーマニアのメディアは、同船がドローン2機に攻撃されたと、近くにいた船の乗組員らが説明していると報じた。

ルーマニア当局は、ヘリコプター「ブラック・ホーク」2機と救助艇2隻を投入し、ワイン・トレーダー号の行方不明者の捜索・救助活動を続けているとしている。

乗組員4人の生存が確認されており、その救助が最優先となっている。現場周辺では非常に高い波が報告されているという。

ルーマニアのニクショル・ダン大統領は、同船に加え、同じ海域にいた化学製品タンカーの「ヤラJ」号も、14日にドローン攻撃を受けたと明らかにした。

コモロ船籍の同船では14日夜遅く、ドローンの攻撃を受けて火災が発生したという。乗組員は全員無事で、火は自分たちで消したという。

ロシアのドローンを多数確認

こうしたなか、ロシアは、ウクライナ・オデーサ港に向かっていた軍事貨物船2隻への攻撃があったと発表した。船名は明らかにしていない。

現場海域は、ウクライナ・ズミイヌイ島(英名スネーク島)の近く。周辺では夜間、ロシアのドローンが多数確認された。

黒海の西岸ではこのところ、ドローンによる攻撃が相次いでいる。

13日には、ルーマニアの南隣のブルガリアの沿岸で、商船2隻がドローンによる攻撃を受けた。うち1隻は沈没し、乗組員11人が行方不明となった。

ブルガリアは、攻撃の背後にロシアがいるとみており、ブルガリア駐在のロシア大使を呼び出した。

ルーマニアとブルガリアの首脳は、北大西洋条約機構(NATO)条約第4条を発動すべきか、近日中に協議する予定。同条は、加盟国が領土保全や政治的な独立を脅かされていると判断した場合、いつでも協議すると定める。

ルーマニアのダン大統領は、NATOのマルク・ルッテ事務総長や、ブルガリアのルメン・ラデフ首相とブリュッセルで会い、黒海海域における安全保障上の脅威の高まりについて協議することになっている。船舶の安全確保のための追加装備などが議題になるという。

ウクライナやEUも

黒海の西側での民間船舶への攻撃をめぐっては、この海域を輸出入の重要ルートにしているウクライナが、ロシアを直接非難している。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も13日、黒海が「ウクライナでのロシアの戦争がエスカレートしてできた新たな戦線」になりつつあるとし、「容認できない」とした。

ロシア軍は最近、ウクライナとの戦争の一環として、黒海海域での船舶への攻撃を強化している。

先週にはブルガリア沖で船舶2隻が攻撃を受けた。

同じ日、ウクライナは、黒海沿岸のロシア・ソチ港で石油タンカーを攻撃した。

ロシアは、ウクライナの港に武器や軍民両用の貨物を運ぶ船を標的にしていると主張している。

これに対し、ウクライナとその欧州各国は、穀物や民間貨物を積んだ商船が攻撃されているとしている。

ロシアとウクライナは、共に主要な穀物輸出国。トルコは両国に対し、黒海での攻撃を停止するよう求めている。

ロシアは、黒海での海上停戦を求める欧米の呼びかけを繰り返し拒んでいる。そして、黒海海域でウクライナがロシア商船を攻撃していると非難している。