イランがホルムズ海峡の再封鎖を発表、イスラエルによるレバノン攻撃が理由と 米軍は封鎖を否定

晴れた洋上に複数の船舶が浮いている

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画像説明, アメリカとイスラエルが2月末にイランを攻撃して間もなく、イランはホルムズ海峡の封鎖を開始した。写真は18日、海峡のバンダルアッバス沖に停泊する船舶
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イラン軍は20日、ホルムズ海峡を封鎖するとの声明を出した。イスラエルがレバノン南部への攻撃を続けていることを、理由にしている。一方、アメリカ軍は海峡封鎖を否定した。同日にはこの後、J・D・ヴァンス米副大統領がスイスで行うイランとの直接交渉のため、ワシントンを出発した。

イランは、イスラエルがレバノン攻撃を続けて多数の死傷者を出しているのは、戦闘終結に向けたアメリカとの合意に違反するものだと述べた。

アメリカとイランの合意には、世界の石油と液化天然ガスの約20%が通常は通過する重要水路のホルムズ海峡での通航再開が項目として含まれている。

イランの声明を受けて、米中央軍のティム・ホーキンス報道官は報道機関に対し、「通航は続いている」とし、「この状態が維持されるよう、(米軍は)監視している」と述べた。さらに、「イランはホルムズ海峡を支配していない」とも強調した。

イラン軍は、海峡封鎖の発表を正当化する理由として、アメリカと交わした14項目の覚書の最初にある、「レバノンを含むすべての戦線における軍事作戦の即時かつ恒久的な停止」という項目を、アメリカが履行せず、合意に違反していると非難した。

BBCヴェリファイ(検証チーム) が調べた追跡データによると、20日には少なくとも5隻のタンカーが海峡を通過し、数隻の船舶が同海域でUターンした様子。しかし、米中央軍はこれに先立ち、海峡を通過する商船の数は20日に増加し、55隻の商船が通過したと発表した。

イランの発表は、イスラエルとヒズボラの間で新たな停戦が発表されてから24時間も経たないうちに、イスラエル軍によるレバノン南部への空爆で少なくとも20人が死亡したと報じられた後に行われた。

米エネルギー情報局の推計によると、2025年には1日あたり約2000万バレルの原油および石油製品が海峡を通過した。これは年間約6000億ドル相当のエネルギー貿易に相当する。

スイスで直接交渉へ

ヴァンス副大統領は同日、スイスでの直接交渉に向けて出発する際、「核問題」と「レバノン停戦の問題」について進展を実現したいと記者団に述べた。

記者団は副大統領に、レバノンのイスラム組織ヒズボラとイスラエルの衝突について、さらにはイスラエルによるレバノン南部空爆について質問した。ヴァンス氏は、「実際には状況は改善しており、事態は少しずつ沈静化している」と答えた。

「イスラエルとレバノンの両国が安全で安心な状態を維持できるようにするには、継続的な管理が必要になるはずだ。地域全体を安全で安心な状態にすることが、この取り組みの根本的な目標だ」

専用ヘリコプターから降りた副大統領夫妻と制服姿の軍人たち

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画像説明, スイスへ向かうため、アンドリューズ統合基地に着いたヴァンス副大統領。左端は、妻ウーシャ・ヴァンスさん(20日、米メリーランド州)

イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官は、イランは「相手側が約束を履行するよう要求する」と述べた。

直接交渉の冒頭には、これまで交渉を仲介をしてきたパキスタンのシャバズ・シャリフ首相も出席する予定だと、パキスタン首相府がBBCに明らかにした。パキスタンはこの戦争を通じて仲介役を務め続け、4月にも首都イスラマバードで、アメリカとイランに交渉の機会を提供した。

アメリカとイラン両国の大統領は17日、レバノンを含む紛争を即時終結させることを目的とした覚書に署名した。合意内容には、今後60日以内に最終合意に達するための協議を継続するという約束も含まれている。

ドナルド・トランプ米大統領は20日、イランとの交渉が最終合意に至らなかった場合、アメリカはホルムズ海峡の船舶航行に独自の通行料を課す可能性があるとソーシャルメディアに投稿した。

イスラエルとヒズボラの戦闘続く

イスラエルとヒズボラは、現地時間19日午後4時からの停戦で合意した。しかし、双方ともその後、相手の合意違反を非難し合っている。

イスラエル軍は20日、イランの支援を受けるヒズボラがレバノン南部でイスラエル軍に向けて50発以上の砲弾を発射したとして、ヒズボラの「数十」の標的を攻撃したと発表した。

レバノンの国営メディアは、イスラエル軍の空爆により、バリッチの町で一家4人が殺害されたと報じた。

イスラエル軍はまた、20日にレバノン南部での戦闘でイスラエル兵1人が死亡したと発表した。

イスラエル当局はかねて、イランが支援するヒズボラ相手の紛争は、イランとの戦争とは別個のものだと主張し、レバノンから軍を撤退させるつもりはないと繰り返している。

一方、ヒズボラは、レバノンでのイスラエルの攻撃は、アメリカとイランの幅広い合意を「妨害」するためのものだと主張している。

アメリカ政府は、イスラエルがレバノンで軍事行動を継続していることを批判している。

レバノンは、アメリカとイスラエルが2月末にイランの最高指導者を殺害したことへの報復として、ヒズボラがイスラエルに向けてロケット弾を発射したことで、戦争に巻き込まれた。

レバノン保健省によると、3月2日にイスラエルとヒズボラの間で紛争が再開されて以来、4057人が殺害されている。