【2026年サッカー男子W杯】 決定力、創造性、空中戦で優れているのは ベスト4をデータ比較

水色ユニホームのエムバペ選手がチームメートと抱き合い笑顔を見せている。近くには別の選手らがいる

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画像説明, フランスのキリアン・エムバペ選手(手前右)は次のスペインとの試合に、自身3回目のW杯決勝進出がかかっている
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クリス・コリンソンBBCスポーツ統計分析担当

サッカー男子ワールドカップ(W杯)北中米大会は、アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの各チームが栄光まであと2勝という段階に入った。BBCスポーツは、準決勝に進んだこれら4チームのここまでのパフォーマンスを比較。どこが今週末に優勝するかを考えるうえでの手がかりを提供する。

全チームがここまで6試合を戦った。ただ、延長戦の影響で、アルゼンチンは1時間、イングランドは30分長く、フランスとスペインよりもプレーしている。そのため、より正確に現実を反映するため、今回の比較ではプレー時間をそろえた。

最も得点が多いのは、前回優勝のアルゼンチンだ(17ゴール)。ただ、W杯2回優勝のフランスは、90分あたりのゴール、シュート(スペインと同数)、ゴール期待値のすべてで1位。全体として、攻撃面で最も優れたチームといえる。

アルゼンチンは決定力に優れ、チャンスの18%をゴールに結びつけている。一方、欧州王者スペインはこれと正反対だ。準決勝の対戦相手のフランスと同数(110)のシュートを放ちながら、ゴールは11にとどまっており、フランス(16)とは開きがある。スペインはフランスより、1試合あたりほぼ1ゴール少ないことになる。

イングランドは、シュートの数と質の両方を考慮すると、他の3チームに比べて創造性に欠ける。それでも、ジュード・ベリンガム選手とハリー・ケイン選手の正確なフィニッシュのおかげで、1試合平均2ゴール以上を挙げている。

アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの90分あたりのゴール(最多フランスの2.7、最小スペインの1.8)、シュート(最多フランスとスペインの18.3、最小アルゼンチンの14.6)、シュート決定率(最大アルゼンチンの18%、最小スペインの10%)、ゴール期待値(最大フランスの2.4、最小イングランドの1.7)を比較した表

守備面では、スペインが最も堅実なチームだ。今大会、準々決勝のベルギー戦で1ゴールを許したのが唯一の失点。ただ、フランスも6試合で2失点しかしていない。

フランスの攻撃陣が恐るべき勢いを見せつけているなか、スペインの不屈の守備陣との対決でどちらが勝利するのかが、14日(日本時間15日)の試合で注目されるところだ。

準決勝のもう1試合、イングランド対アルゼンチンでは、それより多くのゴールが生まれる可能性が高い。両チームとも、守備において素晴らしいとはいえないからだ。

どちらもここまで6失点している。イングランドは相手に最も多くのチャンスを与え、アルゼンチンは失点を最も防げていない。

アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの90分あたりの失点(最多アルゼンチンとイングランドの0.9、最小スペインの0.2)、被シュート(最多イングランドの10.3、最小スペインの5.7)、セーブ率(最大スペインの86%、最小アルゼンチンの57%)、被ゴール期待値(最大イングランドの0.8、最小スペインの0.3)を比較した表

チームとして最も走行距離が長いのは、プレー時間を考慮しなければアルゼンチンだ(706.5キロメートル)。ただそれは、彼らが他チームより長くプレーしたからに過ぎない。

プレー時間をそろえて比較すると、アルゼンチンは走行距離が最も少なくなり、スプリント(疾走)回数も最少になる。実際、これまでの全試合で、相手チームに走行距離で負けている。

したがって、アルゼンチンは相手へのプレスの点で最も積極性に欠け、ピッチの相手陣営でボールを奪う頻度がイングランド、フランス、スペインより低いのも、当然と言える。

対照的にスペインは、4チームの中で最も精力的に動いている。ラン、スプリント、相手へのプレスのすべてで、最も高い数値を記録している。

アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの90分あたりの走行距離(最多スペインの114.1キロメートル、最小アルゼンチンの106.0キロメートル)、スプリント(最多スペインの438.8、最小アルゼンチンの365.3)、相手側3分の1のエリアでボール支配(最大スペインの6.3、最小アルゼンチンの2.7)、相手陣営でボール奪取(最大スペインの9.3、最小アルゼンチンの4.7)を比較した表

ルイス・デ・ラ・フェンテ監督率いるスペインは、4チームだけでなく、今大会出場の全チームの中で、最も高いボール支配率(66%)を誇っている。パス成功率も90.4%と、アルゼンチンと並んで最も高い。ただし、パス能力は4チームとも優れている。

アルゼンチン、なかでもリオネル・メッシ選手は、スルーパスを好んで使っている。イングランドのディフェンダー陣は、これを阻止するために、常に気を引き締めなければならないだろう。

アルゼンチンのキャプテンで絶対的存在のメッシは、今大会で最多の15のスルーパスを通している。

一方で、イングランドにも、アルゼンチンの守備陣が対処しなければならない脅威がある。

トーマス・トゥヘル監督率いるイングランドは4チーム中、オープンプレー(コーナーキックなどのセットプレーではないプレー)におけるクロスの成功率が最も高い。4回に1回の割合で味方に通している。

イングランドが今大会、ヘディングゴールで最多タイ(4)、ヘディングシュートで最多(24)を記録しているのは、このクロスが背景にある。

アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの90分あたりの支配率(最大スペインの66%、最小イングランドの57%)、パス成功率(最大アルゼンチンとスペインの90.4%、最小フランスの88.4%)、セットプレーを除くクロス(最多スペインの15.8、最少アルゼンチンの7.1)、クロス成功(最多イングランドの3.8、最少フランスの1.3)、クロス成功率(最大イングランドの25%、最小フランスの14%)を比較した表

アルゼンチンは、空中でのデュエル(1対1の競り合い)の勝率が4チームで最も低い。この事実はイングランドに、自分たちが空中戦で相手に与えてきた脅威が、次の試合でも続くことへの希望を与えるだろう。イングランドは、デュエル全般において(わずかではあるものの)最も高い勝率を誇っている。

相手をドリブルで抜き去った回数でメッシ選手を上回るのは、今大会2人しかいない。アルゼンチンの他の選手はどうかというと、メッシ選手と同じような動きを見せることはまれだ。

対照的に、スペインは、フランスの前線4人が今大会を通してそうしてきたように、ボールを運びながら何度も攻め込んでくることを覚悟しておくべきだろう。

アルゼンチン、イングランド、フランス、スペインの90分あたりのデュエル成功率(最大イングランドの54%)、空中デュエル成功率(最大フランスの68%、最小アルゼンチンの51%)、ドリブル(最多フランスの23.2、最少アルゼンチンの12.6)、ドリブル成功(最多フランスの9.8、最少アルゼンチンの6.6)、ドリブル成功率(最大アルゼンチンの52%、最小フランスの42%)を比較した表