ウクライナ東部で同じ家族の少なくとも5人が死亡、ロシアのミサイル攻撃で ゼレンスキー氏が発表

ヴォロノフ一家の12人がカメラに向かって並んでいる。大人たちは、笑顔を見せている。結婚指輪をはめた指を見せる新郎新婦とみられる男女が中央に立ち、両隣に複数の男女、前に男の子と女の子が立っている

画像提供, X/ Volodymyr Zelensky

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ウクライナ東部で30日、ロシアのミサイル攻撃があり、同じ家族の5人が死亡した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「恐ろしい犯罪行為」だとロシアを非難した。

犠牲になったのは、東部ドニプロペトロウシク州クリヴィー・リフ近郊で暮らすヴォロノフ一家の人々。

ゼレンスキー氏はヴォロノフ一家の写真をソーシャルメディアに投稿し、一家の自宅がミサイル攻撃で破壊され、父アルテムさん、母オレナさん、子どものマルクさん、アザリヤ・イライさん、エミリアさんが全員殺害されたと明らかにした。

ロシアは一晩で70発以上のミサイルと280機を超えるドローンを発射した。ヴォロノフ夫妻のほかの子どもたち、ザハルさん、ドミニカさん、ヴィオリカさん、フェデリカさんと、孫のアルテムさんは行方不明となっている。

今回の攻撃で最も深刻な被害を受けたのは、ゼレンスキー氏の出身地、中部クリヴィー・リフ近郊だった。

当局者によると、この夜間攻撃で合わせて8人の死亡が確認された。

ロシアによるウクライナ東部への空爆は、ゼレンスキー氏が今週、アメリカのドナルド・トランプ大統領と米ワシントンで会談し、パトリオット迎撃ミサイルのライセンス生産をウクライナに許可するよう求めた数日後に起きた。

ゼレンスキー氏は、「本日(30日)、ロシアはドニプロペトロウシク州クリヴィー・リフ近郊のラドゥシュネにある、ごく普通の家族の、ごく普通の住宅を弾道ミサイルで破壊した」とソーシャルメディアに投稿した。

「(ヴォロノフ一家の)両親と3人の子どもが死亡したのは、確実に分かっている。ロシアのミサイル攻撃は非常に強力で、家屋はほとんど跡形もなく破壊された。がれきの下からは人体の一部が見つかっており、それが一家の誰のものなのか、法医学的な検査をしないと特定できない」とゼレンスキー氏は述べた。

「このロシアの悪行をやめさせるには、世界が一つにならなくてはならない。このようなテロを前に、世界の誰も一人取り残されてはならない。ウクライナには『パトリオット』ミサイルが必要だと我々が声を上げ、ロシアの弾道ミサイルから身を守る能力を求める時、我々は決して抽象的な話をしているわけではない」

クリヴィー・リフの防衛責任者を務めるオレクサンドル・ヴィルクル氏は、ロシアの攻撃で民家2棟が破壊されたと述べた。

当局によると、ほかに8人の負傷者が出た。この中には、病院に搬送された84歳の女性や、がれきの中から助け出された子ども2人が含まれる。

ウクライナ側はロシアの攻勢を仕掛けると予想していた。ゼレンスキー氏は攻撃の数時間前、ロシア政府が「大規模な攻撃」を準備していると警告していた。

ロシアの夜間攻撃で、首都キーウでは1人が死亡し、非居住用建物3棟で火災が発生した。キーウのヴィタリー・クリチコ市長がメッセージアプリ「テレグラム」への投稿で明らかにした。

中部ポルタヴァの市長も、1人が死亡したと発表した。市長はこれに先立ち、郵便・物流企業ノヴァ・ポシュタの配送拠点が攻撃を受けたと述べていた。

西部リヴィウでも複数の爆発があった。アンドリー・サドヴィー市長は、複数の集合住宅が被害を受けたと明らかにした。

サドヴィー氏によると、同市では建物の下敷きになるなど、複数の人が負傷した。住民たちも、救助隊によるがれきの撤去作業を手伝っているという。

複数階建ての集合住宅の屋根の半分が破壊され、外壁の一部もなくなっている。建物の上層階からオレンジ色の炎が上がっている。手前には複数の消防士が立っている

画像提供, Reuters

隣国ポーランドにミサイル墜落

こうした中、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は30日、同日未明に同国東部の畑に墜落した物体は「おそらく」ロシアの巡航ミサイルで、爆弾が搭載されていたと述べた。

ウクライナのアンドリー・シビハ外相代行はこれに先立ち、ロシアのKh-101巡航ミサイルが「ロシアによるウクライナへの大規模攻撃の一環としてポーランド領空に侵入し、NATO(北大西洋条約機構)の領空を侵犯した」と断定していた。

ミサイルは、ウクライナとの国境から92キロ離れたポーランド東部タルナワ・コロニア村からほど近い場所に落下し、直径10メートルのクレーターを残した。

ポーランド軍は、ポーランド領空への脅威となり得るミサイルが少なくとも十数発、ウクライナ西部上空に飛来していることを探知し、待機中の戦闘機を出動させたと発表した。

30日午前3時29分には、ミサイル1発がポーランド国境から約5キロメートルの地点まで最接近したことが確認された。ミサイルは後に進路を変え、東へ向かったという。

ポーランド軍はその後、同国のタルナワ・コロニア村から約2キロメートルの畑に破片が散乱し、クレーターができているのを確認した。現場はすでに封鎖されているという。

地元警察は、同地域で大きな爆発があったとの通報を受けたと説明した。

トゥスク首相は、クレーターはロシアのミサイルによってできた可能性が高いとしたが、調査は続いている。

トゥスク首相は当初、ポーランド東部ルブリンで開かれた会合に出席し、ポーランド領空を侵犯したミサイルは「あらゆる情報から」ロシアの巡航ミサイル「Kh-101」だと述べた。そのうえで、「ミサイルの種類や発射元について100%確実に特定したい」とした。

ロシア国内にも攻撃

一方、ロシア西部ペンザ州ペンザ市では、通販大手ワイルドベリーズの倉庫が夜間に攻撃を受けた。地元当局が発表した。

オレグ・メルニチェンコ州知事は、ワイルドベリーズの施設で1人が負傷したと、テレグラムに投稿した。

ワイルドベリーズはしばしば、米通販大手アマゾンのロシア版と呼ばれている。同社の施設はこのところ、ウクライナの攻撃の標的となっている。

今回の軍事行動は、ウクライナのゼレンスキー大統領が、首都キーウの弾道ミサイルに対する防衛体制を強化するよう繰り返し求める中で起きた。

ゼレンスキー氏は30 日、「人命を守れるかどうかは、防空ミサイルを提供する意思の有無に、直接左右される」とソーシャルメディアに投稿した。

パトリオットは、ロシアがウクライナ攻撃に多用する弾道ミサイルを迎撃できる、数少ない防空システムの一つ。