NASA、強力な宇宙望遠鏡を打ち上げ 宇宙を知るうえで「大きな飛躍」

望遠鏡を搭載したロケットが打ち上げられる

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グレイス・イライザ・グッドウィン

アメリカの航空宇宙局(NASA)の強力な次世代望遠鏡が30日、フロリダ州の発射施設から宇宙へと打ち上げられた。ダークエネルギー、ブラックホール、その他の宇宙の謎を探る役割を担うもので、NASAは宇宙について知るうえで「大きな飛躍」につながるとしている。

NASAによると、打ち上げられた「ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡」は、ハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡より視野が100倍広い。そのため、宇宙の広大なパノラマ画像を捉えられる。

地球から約160万キロメートル離れた観測地点へ100日かけて移動した後、太陽系外惑星と呼ばれる惑星の観測を開始する。

「ローマンは私たちの宇宙の見方を変えるだろう」と、NASA幹部のニッキー・フォックス氏は述べた。

まばゆいばかりの黄色い太陽と黄色みがかった空を背景に、ロケットが宇宙へと打ち上げられる様子の写真

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画像説明, 新たな宇宙望遠鏡を載せたロケットが太陽を背景に上昇していった

新しい宇宙望遠鏡は30日朝、フロリダ州のケネディ宇宙センターから無事打ち上げられた。

NASAのローマン宇宙望遠鏡のプロジェクトマネージャーを務めるジャッキー・タウンゼント氏は、打ち上げ成功後の記者会見で「素晴らしい」、「飛行は見事だった。まさに私たちが望んでいた場所に連れて行ってくれた」と述べた。

ローマン宇宙望遠鏡は、打ち上げから30分ほどして、米スペースXのロケットから分離した。現在、約160万キロ離れた軌道上の目標に向かっている。

ロケットが大きな炎と煙を吐いて打ち上げられている

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画像説明, ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡は、スペースXのロケット「ファルコン・ヘヴィー」に載せられて打ち上げられた

フォックス氏は、ローマン宇宙望遠鏡が「数万個、もしかしたら10万個の新しい(太陽)系外惑星を発見するだろう」と発言。

「なぜ私たちは、系外惑星のことがこれほど気になるのか? それは、『私たちは宇宙で孤独なのか?』という問いに答えることが、NASAの主な目標の一つがだからだ」と付け加えた。

ドナルド・トランプ大統領は、NASAの記者会見に電話で参加し、このプロジェクトに携わる科学者らを祝福した。

「あなたたちは宇宙で最もホットな存在だ。そして、私たちは世界で最もホットな国だ。ということで、この勢いを保っていこう。あなたたちはその大きな一翼を担っている」と話した。

紫色に光っているカバーで上部が覆われた宇宙望遠鏡が屋内に置かれている

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画像説明, ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡。4月にNASAのゴダード宇宙飛行センターで展示された

天文学者のジェニファー・ミラード氏によると、今回の宇宙望遠鏡は、地球から月までよりも4倍近く離れたところで稼働する。そこでは、ミラード氏が「熱光」と呼ぶものを捉えるための、多くの赤外線宇宙カメラが稼働している。

これは、月や地球からの赤外線がカメラに影響を及ぼすのを防ぐためだと、ミラード氏はBBCに説明した。

2021年に打ち上げられたNASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も、地球から約160万キロ離れた太陽の周回軌道を回っている。しかし、視野はさほど広くない。1990年に打ち上げられたNASAのハッブル宇宙望遠鏡は、地球表面から約480万キロ上方を周回している。

ミラード氏によると、ローマン宇宙望遠鏡は宇宙の彼方へと目を向けるが、私たちの銀河系内で何千もの新しい世界を発見するだろうと、科学者たちは期待しているという。

半袖の服を着て右手にペンをもち、左手で持った書類に何かを書きこむ姿勢で、黒っぽいボードの横で上のほうを見ているローマン氏。眼鏡をかけている

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画像説明, 今回の宇宙望遠鏡の名前の元となったナンシー・グレイス・ローマン氏(1925年生まれ、2018年死去)。ハッブル宇宙望遠鏡の計画に携わり、「ハッブルの母」と呼ばれた(1970年代撮影)

今回の宇宙望遠鏡は、1960年代にNASAで初の主任天文学者となり、初の女性幹部にもなった物理学者ナンシー・グレイス・ローマン氏にちなんで名付けられた。

ローマン氏はキャリアを通じて、連邦議会でハッブル宇宙望遠鏡の承認を得ることに尽力した。後に、同宇宙望遠鏡の最も興味深い発見はダークエネルギーだと述べていた。

今回の新しい宇宙望遠鏡も、ダークエネルギーの研究などを通し、私たちの宇宙に対する理解を根本的に変革することが期待されている。当初の運用期間は5年で、最終的には10年間の運用を目指している。

NASAは「鮮明で広範囲にわたる観測によって、科学者はダークエネルギーやダークマターを調査し、系外惑星を発見・特徴づけ、数十億の銀河をマッピングし、ブラックホールを研究し、太陽系から観測可能な宇宙の果てまで、あらゆる天体を探査することができるようになるだろう」としている。

ダークマターは、目には見えず、一種の重力的な接着剤のような働きをする。他方、ダークエネルギーは、宇宙を膨張させる反発力だと考えられている。この二つが、宇宙の約95%を構成していると考えられている。

フォックス氏は30日朝の記者会見で、「NASAにおける私たちの主な目標の一つは、『私たちは宇宙で孤独なのか?』という問いに答えることだ」と述べた。

「ローマンによって、私たちは大きく飛躍するはずだ。(中略)はるか遠くの惑星を観測し、その惑星の大気を詳細に解明することで、居住可能なのか分かるようになるだろう」

ローマンのような宇宙望遠鏡での観測を通して、宇宙のさまざまな段階における「巨大な宇宙地図」を作成しようと、科学者たちは期待しているのだと、ミラード氏は説明した。

「その宇宙地図はまるでタマネギのようなもので、層を一枚ずつ剥がしていくようにして(中略)宇宙の時間の流れの中で銀河の分布がどのように変化していくのか、見ることができる」

「私たちはこの分布を利用して、ダークマターとダークエネルギーを解明したいと考えている。どちらも存在していることは分かっているし、影響も観測している。だが、それらが一体何なのかは、依然として大きな謎だ」